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エッセイ

Vol.16

生前準備(2)

前回の生前準備(1)で、葬儀はキリスト教式で執り行うように希望を伝えておくことと、葬儀会社を決めておくことの2つを述べた。今回は遺言書について、そして延命処置に関して述べさせて頂く。

まず遺言書であるが、子どものおられない夫婦で、夫が財産を全て妻に譲りたいと考えておられる方は必須であろう。遺言書がないと、その財産は夫の兄弟姉妹たちにも渡り、その彼らがすでに亡くなっている場合は、甥や姪にも分配される。よって残された妻が住み慣れた家を手放さないといけなくなるケースも出てきてしまう。私の親戚で似たようなケースがあり、海外に暮らしている甥や姪まで探し出し、大変な時間と労苦をかけ遺産を分配した。「全財産を妻に譲る」の一文でも遺言書を残しておけばそれで済んだのにと残念であった。
また、配偶者と子ども以外に遺産を譲りたい人、例えば孫や親類、世話になった友人や寄付したい団体がある場合も、遺言書が必要となる。相続する人が法定相続人でない場合、相続税率は少し高くなるが、彼らが贈与税を払って受け取るよりはずっと安く済む。
各々の家庭のケースは異なるが、遺産の大半を占めるのは土地や家屋であろう。その不動産は分けるのが難しいので、普段仲の良い家族でも相続の争いになり易い。それを避けるためには、生きている間に自分の願いを伝え、必要を感じれば遺言書で残した方が良い。
創世記を読むと、壮絶な人生を送ったヤコブが最後に子どもたちを集め、それぞれに言葉を残している。私たちも生きている間に、家族にしっかりと自分の気持ちや願いを伝えておきたいものである。

さて、延命処置についてであるが、これは私たちが判断力のある健康な時に自ら決めて、家族に伝えておくべき大切な生前準備の一つである。私は医師でも専門家でもないので、このデリケートな問題を語るのに躊躇を覚える。しかし、私の周りにはこの件で後悔した人が多いので、ここであえて触れておきたい。
人は年老いて衰弱し食べることが出来なくなると、長からず自然死を迎える。しかし医学の発達により、点滴や胃瘻、人口呼吸器装置などによって、何か月も、時には何年も回復の見込みがないまま延命が可能になった。老衰している私の叔母は、昏睡状態のまま、それによって現在も1年以上生き続けている。人によっては苦痛が増大し、見るに辛い状態が長く続く結果ともなり得る。
この延命処置を拒否し、安らかな自然死を望むことが「尊厳死」である。それは末期患者の苦痛を解放するために死期を早める自殺行為に等しい「安楽死」とは根本的に異なる。治療効果を期待できない延命処置をするかしないかは、自ら情報を集め、慎重に判断し、自分の希望を家族に伝えておくことが大切である。そうしておかないと、いざという時、家族はなかなか冷静に判断することが出来ないものである。
伝道者の書3章1節から2節aで「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。」と記されている。
人工的に死期を早めたり、延ばしたりする行為は望ましいとは思われない。

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